初めて絵の具をするときの道具の使い方
初めての絵の具に挑戦するときには、道具の正しい使い方を教えることも大切です。
子どもに道具の使い方をしっかり教えられるように、まずは大人も使い方のおさらいをしておきましょう。
●絵の具
子どもが扱う絵の具は、水彩絵の具がおすすめです。
初めての絵の具では、パレットに一度に沢山の色を出さず、少しずつ、使う色だけを用意してあげると良いでしょう。
慣れてきたら、自分で色を選んだり、混色を作って楽しんだり出来るようになってきます。
●パレット
いろいろな種類のパレットがありますが、基本の使い方は小さい部屋に単色を出し、大きな部屋で色を混ぜるという方法になります。
始めのうちは、小さな部屋は使わず、大きな部屋に絵の具を入れても良いですし、パレットの部屋の数が少ない、子供向けのパレットを準備しておくと、扱いやすいでしょう。
●バケツ
水の量は、全ての部屋で半分程度です。
部屋によって使い方も決まっていて、筆を洗う部屋、絵の具を溶く水の部屋などさまざまです。あとで詳しく説明します。
●筆
筆は握り持ちではなく、3指持ちをします。
筆に含ませる水分は、バケツの縁で調節し、筆の先を整えます。
筆の先から水が滴らない程度がちょうど良いです。
●雑巾
筆の水分を落としたり、こぼれた水滴や絵の具を拭くために必要です。
子どもの利き手の位置に準備しておきましょう。
始めて絵の具をするときのポイントは?使い方のコツ
初めての絵の具を経験させる時には、まずは1色から始めます。
子どもに好きな色の絵の具を1つだけ選ばせて、水を含ませた筆で、絵の具を混ぜます。
初めてなので、大人が筆を持つ手を支えて、動きを教えてあげると良いですね。
画用紙には、子どもの好きなように描かせます。
初めての子どもは、これだけで十分楽しむことができます。
一緒に隣で描いている大人が、1色だけでも色に濃淡がつけられることを見せて教えます。水を多くすると淡くなりますし、水分が少ないと濃い色を表現できます。
始めのうちは、単色のみで楽しむことができますが、画用紙に2色を乗せた時に、交わる線で色が変化することに子どもが気がつくタイミングがありますので、この時に混色を教えてあげると良いでしょう。
パレットの小さい部屋に入れた色を、筆の先で取って大きな部屋に移し、色を混ぜます。赤と青で紫、黄色と青で緑など、いろいろな変化を一緒に楽しみましょう。
初めての絵の具も使い方を知れば上達しやすい
バケツの使い方を紹介します。
バケツには、3~4つ程度の部屋がありますが、それぞれにきちんとした役割があります。
好きなように筆を入れていると、何度も水換えが必要になって効率が悪いので、絵の具を初めて行うタイミングでしっかりと教え、定着させます。
バケツの一番大きな部屋は、筆を洗う部屋です。
小さなお子さんには、「体を洗う部屋」や「ジャブジャブの部屋」などと伝えるとわかりやすいかもしれません。
汚れた筆をしっかり洗って、次の部屋に移ります。
小さな部屋の1つは、筆をすすぐ部屋です。
「石鹸を流す部屋」「サラサラの部屋」などと伝えましょう。
筆に残った絵の具をしっかり洗いで、色の残りがないようにします。終わったら、雑巾で水分を綺麗に拭き取りましょう。
残りの部屋は、筆に水を含ませる部屋です。
新しい絵の具を使う時に必要な水分をここからもらうので、常に澄んだ水であるようにすることが大切です。
使い方がわかれば、子どもでもあっという間に正しくバケツを使うことが出来るようになります。
正しく扱えるようになると、遊びに付き合う大人もゆとりをもって子どもに接することができるので、早い段階から教えておくことをおすすめします。
初めて絵の具をするからこその経験をさせるのもおすすめ
道具の使い方や、絵の具の扱いなど、正しい知識を子どもに教えることは大切なことです。
しかし、遊びは子どもにとって興味や関心を引き出せる大切なもの。
大人が簡単に答えを教えてしまったり、「~しなさい」と指示したりすると、子どもの好奇心は育ちません。
道具の扱いは、始めから定着しません。
やっているうちに徐々に覚えていくものなので、始めから厳しく教えるのではなく、繰り返し根気強く教えていくように心がけましょう。
絵の具の扱いも同じです。
画用紙の上をグシャグシャに塗りつぶしてしまう子もいるでしょうし、いろいろな色が混ざって、最終的には画用紙が真っ黒になってしまうこともあるでしょう。
大人にとっては、「綺麗なうちにやめておけばよかったのに」「汚いな」と思ってしまったり、つい手を出してしまったりする場面ですが、子どもにとっては決してそうではありません。
楽しんでいる子どもの表情を無視して、子どもの動きを止めたり、大人の要求に応じさせようとすることは絶対にやめて下さい。
子どもの楽しむ声、表情に合わせて、一緒に「楽しいね」の声を添えて見守るあげることが、大人の一番大切な役割なのです。
絵の具は使い方を教えることや準備が肝心
絵の具は子どもにとって、楽しい活動の1つでなくてはいけません。
親の準備不足や叱責によって、子どもが絵の具や、絵を描くことを嫌いになることがないよう、事前の準備をしっかり行って、大人が気持ちに余裕を持てる状態で絵の具遊びをスタートしましょう。
【事前準備】
絵の具を始める前の環境作りは大切です。
事前準備をしっかり行っておけば、後片付けもラクになりますし、絵の具がいろいろな所に飛び散る心配も少なくなりますよ。
・床にレジャーシートを敷く
・テーブルに新聞紙を敷く
・椅子とテーブルを用意して、子どもの定位置を作る
・汚れても良い服や、スモックを着用する
この4つは必須です。
【ルールを決める】
・絵を描く場所は画用紙の上だけにすること
・筆を振り回さないこと
・バケツの中の水をかき混ぜないこと
など、事前に約束をしておくと、活動の途中で子供が興奮してきたときでも、すぐに約束事を思い出させることができます。
【手出し、口出しは極力しない】
子どもが絵の具を楽しんでいる間は、大人も一緒に楽しさを共有します。
「筆の持ち方が違う!」「どうしてグチャグチャにするの!」など、道具の扱いを間違っていることを親に叱られたり、自由に描かせてもらえなかったりすると、子どもは絵の具の活動を楽しむことができません。
いきすぎた叱責は子どもにトラウマを与えることにもなりかねません。絵が好きな子になってほしい、集中力を付けて欲しいなど、子どものために良かれと思って準備をした絵の具の活動が、台無しになってしまうこともありますので、注意しましょう。