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バレエの練習にバーが必要な理由
バーを使ったバレエの練習は、基本中の基本です。この練習をおろそかにするバレリーナは存在しないと言っても過言ではないでしょう。では、そもそも、バレエにおいてバーを使った練習をすることは、どのような場面に生かされているのでしょうか?
●身体の均等なバランスをとるためにはバー練習が必須
備え付けのバーは、当然のことながらいつでも同じ高さにあります。毎回バレエの練習のはじめに、バーを使いながら左右均等に身体を伸ばしていくことで、左右どちらか一方に身体のバランスが偏ったり、筋肉の付き方に差ができにくくなるのです。
バーを使って時間をかけて身体を柔らかくすることで、関節や筋肉を十分にほぐすことは、ケガを防ぐことにもつながります。
常に身体の軸がブレないように、バーを使って左右均等に全身のストレッチを行うことは、バレリーナにとってとても重要だということがおわかりいただけたでしょうか?
バレエはバーレッスンが重要!レッスンの半分以上の時間を使うのが普通
バーを使ったバレエの練習には、基本的な順番があり、これはどのバレエ教室であろうと同じかと思われます。お子さんがバレエ教室に通われている方であれば、実際にバレエのレッスンを何度か見学したことがあるかと思いますが、毎回全くと言って良いほど同じ練習を繰り返していることにお気づきでしょうか?
バーを使って同じ練習を繰り返し行うのは、なにも小さい子どものうちだけではありません。プロのバレエダンサーであっても、レッスンのはじめには毎回同じバーレッスンからスタートするのです。
バレエ教室の大人の部ともなると、練習時間の半分以上をバーを使った練習に費やすのも珍しくはありません。子どものうちは同じような動きばかりを反復練習ことに対して、つまらないと思う子もいるかもしれませんが、バレエを続けるうちに、このバーレッスンがいかに重要であるかということは、身体の変化を見れば納得できるはずなのです。
バーを使った練習を繰り返すことは、腕立て伏せなどと同じように考えると良いかもしれません。最初はまともに1回すらできなくても、それを毎日続けるうちに、いつしか両腕で全身をしっかりと支えた状態で、正しい姿勢で複数回も腕立て伏せができるようになるでしょう。
バーレッスンを繰り返す行うことによって、バレエに適した筋肉が養われ、バレエを踊るための身体ができあがっていくのです。
自宅でバレエの練習をする際にバーの代わりになるもの
自宅でもお子さんにバレエの練習をさせたいと思っても、教室と同じようにバーを備え付けているというお宅は稀でしょう。バー自体はなくても、バーの代わりになるものを使って、自宅でもバーレッスンを行うことはできます。
できれば、バーと同じようにしっかりと握ることができる手すりのようなものが理想的ですが、バーと同じくらいで、掴んでも動かないようなものであれば、十分代用は可能でしょう。たとえば、食卓テーブルのフチや、イスの背もたれの部分などでも、掴むのに適した高さであれば、自宅でも練習に使うことはできます。
自宅での個人練習のメリットは、自分がやりたい時間にいつでも練習ができるという点でしょう。教室でのレッスン時間は限られていますので、自宅でコツコツと練習を重ねたいという気持ちさえあれば、いつでも自分のタイミングでバーレッスンができるというのが、より長続きする秘訣ですね。
自宅でバーを使ったバレエ練習をしたいなら、自宅用簡易レッスンバーを取り付けてみるのもおすすめ
バレエ教室と同じように、自宅でも本格的にバーを使った練習を行いたい場合は、自宅の壁に直接取り付け可能なレッスン用のバーを設置するのもおすすめです。
市販の物の中には、木製のレッスンバーと、壁に設置するための金具などがセットになったものもありますので、あとは金具を取り付けるための工具さえあれば、購入したその日のうちからすぐにバーを使った練習を開始することができます。
このレッスン用バーの良い点としては、練習したい人の身長に合わせて高さを自由に設定できるという点でしょう。姉妹や親子で一緒にバレエを習っている場合には、それぞれの身長に合わせて高さを変えて設置することができるのが、大きな魅力です。
自宅のテーブルやイスなどをバー代わりにして練習するのと比べても、壁に直接設置したバーを使って練習した方が、場所も取らないため、狭い場所でも練習をすることができるというのも、嬉しいポイントです。
バーを使って練習する時のポイント
バーを使ってバレエの基礎練習を行ううえでは、バーをしっかりと握ることが重要となります。しかし、この「しっかりと」というのは、「力を入れて掴む」というのとは少し違ってきます。
バレエの練習に使われるバーというものは、言うなれば杖のようなものだと考えてください。杖はあくまでもしっかりと立ったり歩いたりする際の支えとなるものであり、グッと力を入れて身体に引き寄せて使うものではありませんよね。
バレエにおけるバーも、手を添えて握るものではありますが、そこに力がかかりすぎると、バーがない状態でしっかりと重心がブレずに立つことが難しくなってしまうのです。
大切なことは、力を入れてグッと強く握るのではなく、バーにかかる親指以外の指のそれぞれに、均等な力がかかるように、力を分散して握ることです。そして、親指もただ添えるだけではなく、しっかりと握るようにします。
バレエに必要な正しい姿勢を維持するためにも、バーを使って繰り返し練習を行うことは、やはり非常に意味のあることだと言えるでしょう。